「婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を離婚時に分け合うこと」です。
ですから婚姻前からどちらかが持っていた財産や婚姻後でも相続によって得た財産などは対象になりません。
逆に住宅ローンなど婚姻生活のためにできた負債は、分与の対象になります。
財産分与のポイント
まずは、財産分与の対象となるものを把握してリストアップしてください。
不動産、預貯金、現金、有価証券、自動車、家具などがあります。
妻が専業主婦であっても分与は半分ずつというのが基本的な考え方です。
財産を築いたのは、夫が仕事をした結果かもしれませんが、妻の協力があればこそできた財産ですからこのよ
うに考えるわけです。
ただし、完全に二等分できない財産もあるわけですから、お互いに希望を出し合い、これからの生活も視野に
入れながら話し合うことになります。
年金分割(
詳細は必ず最寄の年金事務所にお問い合わせください)
法律の改正により、婚姻中に支払った保険料は、夫婦が共同で納めたものとして、将来の年金額を計算しよう
ということになりました。
専業主婦の場合は、夫が支払った保険料の一部を妻が払ったものとして将来の年金額が計算されることになり
ます。
年金分割が認められるのは、平成19年4月以降に離婚した場合のみです。
しかも、必ず半分ずつになるわけではなく、夫婦の話し合いでその分割割合を決めることになります。夫婦で
合意が得られなければ裁判所に申し立てて決めてもらいます。
平成20年4月以降の第3号被保険者期間については、合意が無くとも自動的に半分ずつに分割されますが(以
下3号分割といいます)、それより前の期間や第3号被保険者以外の期間については、やはり話し合いで決めるこ
とになります。
注意点として、必ず夫の年金の半分がもらえるわけではないということです。
もらえるのは、婚姻期間中に支払った保険料に対応する夫婦合計の年金額の最大50%までだということです。
ですから、専業主婦であれば、夫の支払った保険料の2分の1が上限ですが、共働きの場合は、夫婦の支払った保
険料の2分の1が上限ということになります。妻のほうが収入が多ければ、その分夫に分割される場合もあります。
年金分割の流れ
合意分割をする場合(同時に3号分割の請求をする場合を含む)
1 年金のための情報提供の請求を年金事務所に申請します。
・請求者本人の国民年金手帳、年金手帳、基礎年金番号通知書
・婚姻期間等を明らかにすることができる書類(戸籍謄本など)
・事実婚関係にある期間にかかわる情報提供の請求をするときには、その事実を明らかにすることができる
書類
などが必要です。
2 夫婦間で案分の協議
3 公正証書に案分割合を記載する
4 年金事務所に年金分割の申請をする
・請求者本人の国民年金手帳、年金手帳、基礎年金番号通知書
・婚姻期間等を明らかにすることができる書類(戸籍謄本など)
・事実婚関係にある期間にかかわる情報提供の請求をするときには、その事実を明らかにすることができる
書類
・年金分割を明らかにすることができる書類
a 年金分割を請求すること、および、請求すべき案分割合について合意している旨を記載し、かつ、当
事者自らが署名した書類(書類の様式は、年金事務所に備えてありますが、請求時当事者双方または
代理人がともに窓口に持参することが必要)
b 公正証書の謄本もしくは抄録謄本
c 公証人の認証を受けた私署証書
上記a~cのうちのどれか一つ
3号分割の請求手続き
3号分割制度も実際に年金事務所で年金分割の手続きをしないといけません。
・請求者本人の国民年金手帳、年金手帳、基礎年金番号通知書
・婚姻期間等を明らかにすることができる書類(戸籍謄本など)
・事実婚関係にある期間にかかわる情報提供の請求をするときには、その事実を明らかにすることができる
書類
・離婚届を出していないが、事実上離婚したと同様の事情にあることを理由に3号分割をするときは、当該事
情にあることを明らかにすることができる書類
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詳細については、必ず最寄の年金事務所にお問い合わせください。